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山車の特徴の見送り〜数十年ぶりの故郷の祭り(7)

<<   作成日時 : 2008/06/19 08:06   >>

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前回に引き続き、太鼓山(山車)のもう一つの特徴です。
「見送り」という刺繍織物ですが、太鼓山の後ろ側に吊るされています。
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           ↑こんな感じで太鼓山の後ろに吊るされています。
             宮出しでは神様に見送っていただく感じですね

これも、祭りには付き物ですが(正しくは「見送り幕」と言うようです)、場所や祭りによってそのサイズや内容は異なっているようです。もちろん手刺し刺繍の豪華なものが多いようですが、これから紹介するものも、もちろん手刺しで作られて歳月を経たものなのでしょう。

絵柄には、龍や虎、獅子、鷲など勇猛な動物が多いのも、祭りならではですが、ひとつだけ異色な錦秋富岳図があります(まあ、日本一の富士山ではありますが)。登場する動物は鹿で、帆を収めた木船に薄(ススキ)と猛々しさはありません。
じつはこれ、我が家の曾祖父が寄付したもので、ずっと我が家の倉に置いてあって、祭りのたびに借り受けに来ていたのですが、いまは、太鼓と同じ倉庫にしまわれています。私が物心付いたときにはすでにありましたから、もう、少なくとも50年以上は時を経ていることでしょう。そのせいか、傷みも出ていて、ビニールカバーを掛けられています。

人の心も社会状況も変わって、もう、新しく寄贈する人も現れないのでしょうか。私にも、とてもその力はなく、曾祖父もよく頑張ったものだと感心します。賭博か投機かで借金を重ね、一族引き連れてアメリカに渡り材木集積所の労働者として働いただけで、借金以上の蓄財ができたのでしょうか? 自家のわずか4代前のことが、もう分からなくなっています。東京にいては訊くチャンスもないまま、知っている人たちもどんどん亡くなっていきます。
そうして埋もれていく事実が、いまの日本にはいくつもあるのでしょうね。
見事な刺繍の芸術と伝統、この見送り制作技術も、この先も長く伝承されることを祈ります。

さて、
では、その見送り9種、ごらんください。
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まずは、錦秋富岳図(と私がかってにっつけました)。
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一番多い動物は虎でした。日本人には、獅子よりなじみがあるのでしょう。川べり(渓流沿い)が3枚、竹林(竹・笹)が3枚、みんな岩場にいまにも跳びかからんばかりの態勢で描かれています。
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次に多いのがライオン。獅子と言うよりはこれはやはりライオンでしょうね。このあたり、江戸時代風ではなく文明開化以降の作品という気がします。
シチュエーションというか構図は虎とほとんど変わりませんが、竹の変わりに椰子の木があったり、遠くの山がキリマンジャロのような感じにも見えます。
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そして残るのは、鷲と龍。
鷲の背景は、急流ではなく海原のようです。逃げているのは白鳥ではなく家鴨でしょうか(大自然で家鴨はないですね)、海にいるのは鴎か海鵜?
2頭の龍の背景は、やはり竜巻でしょうか!? 渦巻きならすべての見送りに水が描かれていることになりますが、やはり、雲に絡む竜巻でしょうね。

しばしの憩いの時が終わると、9つの見送りが、神様に別れを告げて宮出しが始まります。
(この項続く)

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